ChatGPTで通知表の所見を書く方法

この記事を読んでできること

・教員がChatGPTを活用して通知表の所見文作成の負担を軽減すること

・具体的にどのような手順で作成するかを理解すること

先に今回私が行った手順を共有します。

1 ChatGPTのGPT4を使用する。(有料)

2 AskYourPDFというプラグインを導入する。

3 過去に自分が作成した所見文のPDFを、AskYourPDFに読み込ませる。

4 今回の所見文のもととなる「児童個々の長所、がんばりなど」を箇条書きにする。

5 上記3,4をもとに、下記のプロンプトを使用して所見文を作成する。

「私は日本の公立小学校の○年生担任教師です。通知表の所見文を190~200字で書きます。所見文とは、児童のよさ、がんばり、長所、成長、特徴などを教師が記述したもので、児童の励みになるように書きます。具体的な事実と抽象(評価)をバランス良く盛り込む必要があります。添付するPDFは私がこれまでに書いた所見文です。このPDFをもとに○人分の所見文を書いてください。もちろんこのあとで、各児童の長所や成長点は箇条書きにして示します。」

6 一人一人の所見文の表現や構成をチェックし、編集する。

さて、ここからが重要な話!!

通知表の所見文を書いた経験のある教員なら誰しも心当たりがあるはずだが、この所見文を書く作業、膨大なエネルギーを要する。ましてや勤務時間内に書く時間など保障されていないことがほとんどなので(過去に一度だけ通知表作成のために1週間午後授業がカットされている自治体があった!)、主に休日、つまり勤務時間外に書くことになるのがほとんどだ。(もちろんそうでない人もいるだろうが)

私の場合は現在二学期制の自治体で教員をしているので、前期の所見は夏休みに、後期の所見は冬休みにある程度書いているのが現状。ちなみに昨年度は児童一人あたり500文字くらい(暗黙に)書くことを求められていた学校だったので、年始にまるまる4日間所見文を書く作業に費やした。(もちろん書く以前に評価材料を集めておかなければならないので、それも含めるとざっくり言えば「冬休みの半分以上の労力を通知表作成作業に費やす」イメージだ。)

もちろん所見を書くといってもゼロから書き始めるのではなく、過去に自分が書いた所見文も参考にしながら、使える表現は使って書くのが常だ。それでも昨年度は一日8人が限度だったので年始に4日間も費やした。正月から書き始め、書き終わると「あれ?冬休み終わったよ」という感覚。

それだけエネルギーを費やして、大げさに言えば「身を削って」書いた所見文で、保護者から感謝されることもある。個人面談で、ある保護者の方は涙ながらに「今日はお礼だけ言いに来ました。先生の所見文に感動して携帯の待ち受けにして親戚中に見せました」と言ってくださったのだ。そこまで感謝されるのはやはりその子のよさをピンポイントで言い当て、文章表現も定型句ではなく心に響くものだったからだろう。

なかなかすべての子に対してそこまでの所見は書けないが、私はストレングスコーチもしているので、真に強みを言語化できればその言葉の力は非常に大きく、その人の感情を高めて行動を変化させることになりうることは実感している。

さて、話が大分横道にそれたが、今回私が上記の方法でChatGPTを使って所見文を書いてみて強調したいことは、「最初に生成された文章では到底過去に自分が書いてきたレベルには及ばない」ということだ。AskYourPDFというプラグインで、過去の所見文(200~300ページに及ぶ)がどこまで反映されたかは正直よく分からなかった。そこで、やはり従来のように8割くらいは自分で書き、文章の校正と文字数調整をChatGPTにやらせるという使い方が今回は一番よいと感じた。しかし校正と文字数調整だけでも随分楽になった。

上述のように、所見は教員が勤務時間外に身を削って書くことがほとんどだ。しかしそこまでの労力を費やして果たして教育的効果はどれほどのものか? 感謝されることもあれば、一読してスルーされることも現実にはあるだろう。私の勤務校などは次年度から通知表の所見文は廃止の方向で動いている。

教員にもいろいろな立場、境遇の人がいて、様々な事情から所見文作成に十分な時間を費やせない人もいるだろう。

私は10年以上前にこういうことがあった。当時研究や教育誌への記事執筆などが重なり、過労で免疫力が落ちたところでインフルに感染。通知表の所見は全く書けてない。残された日数は2日。例えばこういう状況ならChatGPTに頼って乗り切るのはありだろう。短時間で(質さえ問わなければ30分もあればできるはずだ)、規定の文字数でそれなりの文章を生成してくれる。もちろん当時はそんなものはなかったのでどうしたかというと、「力技」で2日間で書き上げた。当時は自分が次のステージに行くための通過儀礼だと思って根性で書き上げたのだ。

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masaki
誰もが自分の個性や才能を生かして、望む人生を自由に生きられる社会の実現を目指しています。今まで教育に携わりながらコーチング、心理学、カウンセリング、占星学、学習法など、個人の成長や能力開発に関わることを学んできました。このブログで発信する情報が、自己理解や他者理解を深めるきっかけの1つになれば幸いです。
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