シントピック・リーディング(4冊同時読み)をして「学校教育でコーチングをどのように活用していくか?」について考えてみた。

知的生産の技術で、とても強力なものがある。「シントピック・リーディング」だ。

シントピック・リーディングについては、「あなたもいままでの10倍速く本が読める」(ポールR.シーリィ著、フォレスト出版)に詳細が説明されているが、簡単に言えば、あるテーマについて4冊の本を同時に読み、自分の考えをまとめる読書法だ。

 

また、本を読む本」(M・J・アドラー  C・V・ドーレン 著、外山 滋比古  槇未知子 翻訳、講談社学術文庫)にも、読書の最高レベルとしてこの読書技術が紹介されている。(なんとこの本の初版は1978年、今から40年前である!)

 

このシントピック・リーディングという読書法については、これまで何度かアイデアをまとめるときに試してきた。

(過去のブログでも記事を書いたことがある↓)

★2012年1月2日エントリー記事
「シントピック・リーディングで新年の問題を解決!?」

★2012年7月15日エントリー記事
「3時間で12冊の本を読破!!」

 

今回久しぶりにやってみて、やっぱり強力な方法だと感じたので、本ブログで紹介することにした。テーマは「学校教育でコーチングをどのように活用していくか?」。では早速その手順を紹介しよう!

<シントピック・リーディングのやり方>

1)テーマに合った本を4冊選び、ひと通りぱらぱらとページをめくっておく。

今回はこの4冊を選んだわけだが、この4冊に決定するまでに他の本も候補として書店やAmazonなどでざっくりと見ておいた。たくさんの本の中から自分のテーマに沿った4冊を精選するというプロセスからすでにシントピック・リーディングは始まっているのだ。

4冊選んだら、すべての本をひと通りぱらぱらとページをめくっておく。もちろんここではページをめくるだけで読み込む必要はない。

(2)A3サイズの用紙に本の題名や著者名を書く。

次に、A3サイズの用紙(これより小さくてもよいが、大きい方がおすすめ!)を用意する。中心にテーマを書き、上の写真のように選んだ4冊の本の題名、著者名、初版の年月日を書く。

(3)4冊の本のそれぞれから、目的に関連した一節を抜き出して書く。

次に、今回の目的「学校教育でコーチングをどのように活用していくか?」の答えになりそうな一節をそれぞれの本から2つずつさがす。さがせたら、中心テーマからそれぞれの本に伸びているブランチ(枝)の上に1つ、下に1つ、計2つの答えを記入する。

ここでさがす答えは直感でよい。一番重要な部分を探そうとすると読み込まなくてはならない。そうではなくて、ちょっと目に付いた一節、あるいは一句を抜き出して書く。時間は一冊につき5分でよい。一冊につき2つずつ答えをさがしだすのだが、この2つは別の内容のものがよい。

(4)8つの答えを比較して、質問を4つ作る。

一冊につき2つずつ答えをさがせたら、それらを比較し、類似点や相違点はないか考える。あるいは共通の論点や、その本だけの独自の切り口はないか考える。それらをもとに、4つの質問を作る。もちろん、最初に設定したテーマ(目的)に関連する質問でないと意味がない。

作った質問は、本の題名と題名の間のスペースの真ん中に書く。(下の写真の赤ペンで囲んだ箇所↓)

今回は、次の4つの質問を作った。

質問① 子供の成長・変容を促す教師のあり方(Being)とは?

質問② コーチングが有効な場面とは?

質問③ 子供の側からすると、コーチングによってどんな力が育つのか?(どんなメリットがあるのか?)

質問④ 学校ではコーチングのどんなスキルを使うのか?

(5)4つの質問の答えを見つけるために、4冊の本を順番に読んでいく。

質問を4つ作ったら、今度はその答えをさがすことを目的に、4冊の本を1冊ずつ順番に読んでいく。これを4回繰り返す(質問①に対して本A→本B→本C→本D、質問②に対して再び本A→本B→本C→本D といった具合に)。

質問に対して見つかった答えの内容は、それぞれの質問を書いた箇所にマインドマップの形で、すばやくまとめていく。もちろん本を読んで浮かんだ新たなアイデアや自分で考えたことをマップに書き足してもよい。時間は1つの質問に対して10~15分もあれば十分だろう。質問は4つなので、40分~1時間程度で行う。

(6)新たな問いが生まれたり、他に気になった内容があれば、最後にまとめておく。

(5)で終えてもよいが、さらに新たな問いが生まれたり、他に気になった内容があったりすれば、最後に用紙の本の題名を書いた箇所に、マインドマップで書き足していく。(下の写真では、各本の題名を書いたところから枝をのばしてマインドマップにしていく)

上の完成したマップを「シントピック・マップ」という。このシントピック・マップが完成した時点で、ある程度最初の目的は達成できる。ここで終えてもよいし、さらに深く探求したいことがあれば、より詳細に読めばよい。一気に4冊を同時読みすることで論点が整理され、自分の目的に照らしてどの本のどの箇所を重点的に読めばよいか既に分かっているので、この後の読書はよりスムーズになる。1冊ずつ順番に読むよりはるかに効率的で生産性の高い読書法である。

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masaki
誰もが自分の個性や才能を生かして、望む人生を自由に生きられる社会の実現を目指しています。今まで教育に携わりながらコーチング、心理学、カウンセリング、占星学、学習法など、個人の成長や能力開発に関わることを学んできました。このブログで発信する情報が、自己理解や他者理解を深めるきっかけの1つになれば幸いです。
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