本田健さんの「人間関係のマトリックス」を小学校の通信で紹介!

昨日は、本田健さんの次元上昇プログラム2.0セミナーの受講日でした。私はオンライン会員です。会場受講も別途有料でできるのですが、昨日は自宅で受講しました。

今月のテーマは「人間関係」。健さんの「人間関係の4つのマトリクス」というフレームワークを用いて、人間関係上の課題について考えていきます。

この「人間関係のマトリクス」は非常に強力なフレームワークです。

自分が普段どんな感情のポジションにいることが多いのか分かります。また、それによってうまくいくことやうまくいかないことにも気付けます。

以前勤めていた小学校でこれを紹介しました(学校から発行するお便りという形式で)。分かったつもりで偉そうに書いていますが、このマトリクス、本当に深い!です。昨日もオンラインで視聴しながら子供の頃の家族関係について新たな気付きがありました。これはまた機会があれば書きます。

(以下、過去の学校通信から引用)

人間関係のマトリクス~感情の4つのポジション~

人と人が関わった時に発生する感情の力学について端的に説明しているフレームワークがあります。職場でも家族でも友達のグループでも、人が何人か集まれば必ずといっていいほど下のマトリクスのどこかに自分のポジションを決め、バランスを取るというのです。各々のポジションに優劣があるわけではなく、誰でもつい行きがちなポジションがあるといいます。

「ポジティブ・自立」は、いつも前向きで明るいリーダータイプの人(子供)が行きがちなポジションです。このポジションにいる時はハイテンションでパワフルですが、ポジティブに振れ過ぎている時には他者の気持ちに鈍感になりがち、という短所もあります。

「ネガティブ・依存」は、心配性の人、共感能力が高い人が行きがちなポジションです。感受性豊かでアーティスト的な才能を発揮しますが、ネガティブに振れ過ぎている時は自分の感情に浸ってなかなか抜け出せないことがあります。

「ネガティブ・自立」は、完璧主義で責任感の強い人が行きがちなポジションです。緻密に仕事をこなし、物事を確実に進めることができますが、つい行き過ぎた時には周囲に犠牲を強いたり、威圧的になったりする点に注意が必要です。

「ポジティブ・依存」は、周囲を和ませる癒し系の人が行きがちなポジションです。穏やかで場の空気を和らげますが、自分がミスをした時など、ふとしたことで混乱しやすい人は、このポジションにいる可能性があります。

この4つのポジションは図の矢印のように対極で発生します。例えばパートナーシップを築いている二人の一方がとても厳しい「ネガティブ・自立」の場合、もう一方は対極の「ポジティブ・依存」に行きます。その二人に子供がいた場合、子供は「よし、この家族の中で自分が明るく振る舞おう」と「ポジティブ・自立」に行ったり、「悲しいな」と感じて「ネガティブ・依存」に行ったりします。あるいは子供自身が正しいと思っている大人の側のポジションに一緒に行くこともあります。

ポジションはずっと固定しているわけではなく、相手によって変化します。例えば、家では「ネガティブ・自立」の人も、職場の上司の前では「ポジティブ・依存」になったり、同僚の前では「ポジティブ・自立」になったりします。お互いを理解し合って平穏や幸せを感じているなら二人ともマトリクスの中心にいる状態(感情の綱引きをしていない状態)ですが、マトリクスの中心から離れるほど感情のエネルギーは高まり、それはプラスにもマイナスにもなり得ます。

これらの力学は個人と個人の間だけでなく、教師対クラス集団、一人の子対クラスやグループ集団、職場のリーダー対チームメンバーというように個人と集団の間でも働いています。

このマトリクスの活かし方

このマトリクスを用いて身近な人間関係を振り返ってみると、様々なことが見えるようになるはずです。例えば、算数に自信のない子がクラスの中でネガティブな感情を感じていたところ、少人数グループになって「自分にもできそう」とポジティブな感情に変わった。あるいは、自信をもっていた子が自分よりさらに得意な仲間に刺激されて、よりがんばろうという気持ちになった(一時的に感じたネガティブな感情をプラスに変換した場合)、といった具合です。

学習では単元ごとに力学が変わることがプラスに作用することもあるかと思いますが、家族、職場、学校のクラスなどのメンバーは短期間で変わるものではありません。みんなが互いを理解し合って幸せを感じている状態、仕事や学習の成果が上がっている状態ならよいですが、仮にそうでない時はこのマトリクスをどう活かせばよいのでしょう。

まず、このマトリクスのように「感情の4つのポジションは対極で発生する」と仮定し、今の状態を観察してみることができるでしょう。みんなが互いを理解し合って平穏や幸せを感じているとしたらマトリクスの中心にいる状態ですが、中心から離れて自分や相手(周囲の人たち)がポジティブやネガティブに振れ過ぎているように感じたら、ポジションを修正する時です。「なぜそう見えるのだろう?」と自問し、相手に対する言動を振り返ってみます。自分の言動に反省点があったとしたら、それを素直に認め、自分から歩み寄ることが相手との間にある中心に行くことになります。

自分がつい行きがちな感情のポジション(ホームポジション)を知っておくことも有効です。例えば「ポジティブ・自立」に行きがちな人は、相手の気持ちを感じ取ろうとしていないので、まずは相手の不安や悲しみを感じようと努力します。「ネガティブ・依存」に行きがちな人は、行動しない理由を相手や周囲、環境のせいにしています。相手や周囲の人が自分やみんなのために必死でがんばっていることを感じてみます。「ネガティブ・自立」に行きがちな人は、自分の攻撃によって萎縮している相手の気持ちを感じてみます。「ポジティブ・依存」に行きがちな人は、「いつも自分がやらなくては」とがんばっている相手の焦りやストレスを感じてみます。お互いが相手を感じ合って歩み寄れた時がマトリクスの中心にいる状態です。自分だけが歩み寄ったつもりになって、相手が変わることを一方的に期待しているだけでは中心に行ったことになりません。どちらか一方だけが中心に行くことはあり得ないのです。

自分の中にも4つの感情のポジションがあることも知っておきます。自分の感情が大きく振れてマトリクスをぐるぐる回ることは場合によってはエネルギーのロスになります。マトリクスの中心にいれば自分がやるべきことに注力できます。ただし人間である以上いつも中心にいることはあり得ません。感情が振れても自分を責めず、振れた分だけエネルギーが充電されたと考えます。振れた感情のエネルギーをマイナスではなくプラスに使うことを考えます。

鎖につながれた象

自分のホームポジションがあったとしても、それは家庭や職場や学校の中の力学によって生まれたものなので、この先ずっと変わらないわけではありません。「ホームポジション=その人の性格、その人のキャラ」ではないのです。「自分は周りについて行くタイプだからリーダーなんかできない」「周りに任せておけないから自分一人でやるしかない」「自分はイジられキャラだから意見をはっきり言うのはよそう」・・・などと自分の性格を決めつけて行動を限定してしまうのは残念なことです。

「鎖につながれた象」という寓話があります。サーカスで活躍する大きな象は、小さな木の杭に鎖でつながれているのに全く逃げようとしません。象がまだ小さい時に何度も逃げようとして杭が抜けなかった記憶があるからです。大きくなった象は、その小さな杭を簡単に引き抜くことができるのに、自分には無理だと思い込んでいるのです。

私たちも、本当は目の前の問題を解決する力があるのに、できないと思い込んでいたり、力を使おうとしていなかったりすることがあります。自分の感情に自分で気付き、いつもの自分とは違うポジションのエネルギーを使ってみることが問題解決のきっかけになるのかもしれません。

(以上が過去の学校通信からの引用)

 

このマトリクスのことは健さんの著書「ユダヤ人大富豪の教えⅢ 人間関係を築く8つのレッスン」(だいわ文庫)に詳しく載っています。また、ムック本「大好きなことをして人生を自由に生きる」(マキノ出版)にも分かりやすく書かれていてお薦めです。様々なセミナーも開催されているので興味を持った方は検索してみてください。

とても深いフレームワークなので、今後またこのブログでも取り上げます。

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masaki
誰もが自分の個性や才能を生かして、望む人生を自由に生きられる社会の実現を目指しています。今まで教育に携わりながらコーチング、心理学、カウンセリング、占星学、学習法など、個人の成長や能力開発に関わることを学んできました。このブログで発信する情報が、自己理解や他者理解を深めるきっかけの1つになれば幸いです。
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