今年度受け持つ2年生。
最初の説明文単元を終えた。
「たんぽぽのちえ」を教えるのは平成24年度以来。
実に9年ぶり。
2年生は岡山時代の平成22年度に初めて担任し、23年度、24年度と3年連続で2年生を受け持った。それまでは高学年、中学年ばかりで、40歳目前となって初めて低学年担任となったのだ。
「たんぽぽのちえ」の教材研究をしたり、実践記録を掘り起こしたりしていると、当時の記憶が蘇ってくる。懐かしい。
さて、今回も筑波大学附属小学校の桂聖先生が提唱する「Which型課題」を随所に取り入れた単元構成にした。
「Which型課題」とは、「A・B、どっち?」「A~Dのうちどれ?」「順番に並べるとどうなる?」といった、選択肢の中から選べる学習課題のこと。国語が苦手な児童も授業に参加しやすくなる。
(詳細は下記の書籍をご覧ください↓)
単元における指導の経過は今回は省略し、終盤の文章構成に着目させる授業実践を紹介!
全10時間扱いの9時目である本時の目標は、「1段落と10段落は必要かを話し合うことを通して、説明文における『はじめ』と『終わり』の役割を考え、表現することができる」こと。
導入は、「たんぽぽのちえ」クイズで。
AかBかの答えだけでなく、わけを言わせることで、これまでに学習してきた、たんぽぽのちえの内容理解のイメージを深めることがねらい。
楽しくクイズをしながらおさらいしたところで、本時に付けさせたい力にかかわる主発問「ちえは1~9段落までにしか書かれていないし、そこだけ読んでも『ちえ』は分かるので、1段落と10段落はいらないのでは?」
1段落と10段落が「いる」「いらない」のどちらかを選択・判断する学習課題にすることで全員の学習参加を促す。これがWhich型課題である。
2年生の段階では筆者の書き方を評価する学習経験はほとんどない。
教科書に書いてある文章がいいかどうかなんて発想がそもそも子どもたちにはないので、大半はぽかんとなった。しかし勘のいい何人かの子はここで手を挙げる。
「いきなり『二、三日たつと』ではじまるとヘン」
「1段落がないと何の花かわからない」
「映画でも最初にダイジェストみたいなものがあるよ」
10段落についても、
「ないと新しいなかまをふやしたいことがわからない」
「なかったら話がずっと続く感じがする」
「どんな文章も最後にたいてい、いいことが書いてある」
子どもたちになりに、1段落と10段落がないと文章全体としてはなんかヘンだということには気づいているようだ。
そこで、最後にこのスライドを見せて考えさせる。
「あちらこちらにたねをちらしている」のはBだとすぐわかる。
しかし大事なのは、なぜちらす必要があるのかということだ。
その理由が10段落第2文に書いてある。
「あたらしいなかまをふやしていくのです」
文末「~のです」は、理由を述べるときの文末だと学んでいるので、これまで出てきたたんぽぽのいろいろなちえは、なかまをふやすために働かせていたんだと、ここではっきりと分かる。
ちょっと2年生にしては深入りしすぎたかなと思いつつ(事例とまとめとのつながりとなると中学年なので)、まとめの役割を確認したところで授業のまとめをする。
まとめ
1だんらくと10だんらくは、いります。
1だんらくは、せつめいの「はじまり」(わだい)。
10だんらくは、せつめいの「おわり」(まとめ)。
「はじめ・中・おわり」という説明文の三段構成を、学習用語として知らせる。
さらに、説明文はサンドイッチのようなイメージだと伝える。
上のスライドを見せると、子どもたちは赤がハムで、黄色が卵で・・・と、教師が意図したようにサンドイッチのイメージをもってくれた。
サンドイッチも説明文も、具材(具体的な事例)だけのものは、何かが足らずイマイチ。
そして、具材(事例)がないと、味気ない。
2014年に明治図書「国語教育」という教育雑誌に、このパンと具材のイメージで説明文を捉えることを少し述べた記事を寄稿している。(3年生の単元「イルカのねむり方/ありの行列」。下の表紙画像をクリックすれば、明治図書のページに飛びます。)
段落相互のつながりに関する学習は中学年からですが、まずは文章の全体像に目を向けてみるという初歩の段階として今回は授業をしました。
今回の板書の写真 ↓
さて、次は物語文「スイミー」。
こちらも9年ぶりのスイミーの授業となる。
楽しみ!!
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誰もが自分の個性や才能を生かして、望む人生を自由に生きられる社会の実現を目指しています。今まで教育に携わりながらコーチング、心理学、カウンセリング、占星学、学習法など、個人の成長や能力開発に関わることを学んできました。このブログで発信する情報が、自己理解や他者理解を深めるきっかけの1つになれば幸いです。
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