小学生におすすめの本 ~「渋谷おすすめの本50」に推薦したこの3冊(低学年・中学年・高学年別)~

現在勤務している渋谷区では、毎年「渋谷おすすめの本50」という読書推進の取り組みをしています。
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渋谷区立図書館「しぶやおすすめの本50」

今年は区の読書推進委員になったので、来年度のおすすめの本を推薦することになりました。

もちろん私一人で決めるのではありません。たくさんいる推進委員が推薦した本の中から、今後検討を重ねていき、来年度のおすすめの本を選定をしていく、という流れです。

21日から学校が夏休みに入ったので、さっそく私なりの選定をしてみました。

来年度のテーマは「自分をみつめる」です。(過去には「ことば」「自然科学」「友情・家族愛・命の大切さ」などがテーマとなっていたようです。)

この「自分をみつめる」というテーマに沿って、低・中・高学年でそれぞれ一冊ずつ推薦することになっています。

 

高学年はすんなり決まりました。

「考える力がつくフォトリーディング」(PHP研究所
山口 佐貴子 照井 留美子 (著), リネット・アイレス (監修, 監修)

フォトリーディングは私の人生を変えたといっても過言でない学習メソッド!

一般的には読書法として位置づけられていますが、本質はあらゆる情報の編集術です。知識社会といわれる時代に必須の力を身につけるきっかけに、この本はなるでしょう。フォトリーディングについて書かれた大人向けの本はたくさんありますが、子ども向けに書かれた本は私が知りうる限りこの本だけ。なぜこの本をおすすめするのか、その理由は旧ブログに書いてあるので、そのリンクを貼っておきます。もう9年も前の記事です。9年前の記事に一言付け足すなら、子どもに自らの学びの可能性の大きさに気づいてほしい、ということです。

旧ブログ(アメブロ「小学校教師の知的生産術」)2012年7月エントリー記事「メンタルリテラシーを高める究極の2冊」

 

フォトリーディングについてはこんな記事も書いていました。

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旧ブログ 2011年11月エントリー記事「小学校へのフォトリーディング導入の可能性について」

この記事の中で、学校のクラブ活動の中でフォトリーディングの導入を行うことの可能性について述べていましたが、これは現実のものとなりました。2012年に私は学校内に読書クラブを設置し、その中で数回に分けて高学年の子どもたちにフォトリーディングを教えました。もちろん大人が講座代を支払って身につけるようなレベルには達しませんが(そりゃそうです、私は公認インストラクターではないので。フォトリの公認インストラクターの方々は本当にすごい方たちばかりです!!)、子どもたちなりに読書の新しい楽しみ方に触れることができたと思っています。

また、国語教育界のキーマンとなる先生方に認知されることで一気に広まる可能性があるとも述べていますが、実際に某国立大学附属小学校の先生に(懇親会の席というインフォーマルな場でしたが)直接フォトリのことをお話ししたこともありました。(←「読書クラブ」設立といい、フォトリの「飛び込み営業」といい、あの頃の行動力はたいしたもの)

10年経って、フォトリーディングという言葉はまだまだ学校現場で認知されていないものの、その理念は広がりつつあると思っています。(青木伸生先生の提唱する「フレームリーディング」など。マインドマップだって桂聖先生も積極的に紹介していらっしゃいます) ちなみにフレームリーディングは、岡山の教育界でブーム?になった丸ごと読みと似ています。

旧ブログ 2011年11月エントリー記事「フォトリーディングと丸ごと読み」

 

さて、低学年と中学年は悩みました。

果たして低学年と中学年の子どもが「自分をみつめる」とは、どんな姿でしょうか。

悩んだ末に(過去に選定された本は推薦できないので。これは!という本は既に選定済みでした)、まず中学年から決めました。

 

「学校では教えてくれない大切なこと2 友だち関係 ~自分と仲良く~」(旺文社)藤 美沖(マンガ・イラスト)

以前受け持った4年生の子がひそかに手に取っていたこの本。

学習がとてもよくできる子でしたが、単学級(学年で1クラスしかないということ)で固定化された人間関係の中で悩んでいる様子が垣間見られました。

結局担任として十分なことはできなかったのですが、年度末に「1年間勉強がすごく楽しかったです」とわざわざ伝えてくれたことは救いでした。

人とつながるためには、まずは自己理解。本のサブタイトルにあるように、「自分と仲良くなる」ことが大切。この本にはセルフコーチングの基本が中学年の子でも分かる平易な言葉で書いてあります。

・自分を好きでいるために、人と比べるのではなく、前の自分と比べてできたことに目を向けよう

・イライラをやっつけるには、イライラを手放すところをイメージしたり、やっつける言葉を言おう

・ワクワクを増やすには、大好きなことをしたり、あこがれの人について調べたりしよう

言葉やフォーカス(どこに注目するか)によって感情は変えられることや、自分の波動によって引き寄せるものが変わることをさらっと述べています。

 

最後は低学年。

「しあわせのバケツ<改訂版>」 TOブックス
キャロル・マックラウド (著), デヴィッド・メッシング (イラスト)

「バケツとひしゃくの理論」を子ども向けに分かりやすく書いた絵本。

「バケツとひしゃくの理論」をご存じない方のために、「心のなかの幸福のバケツ 」日本経済新聞出版 ドナルド・O・クリフトン (著), トム・ラス (著), 高遠 裕子 (翻訳) から引用してみます。

 

バケツとひしゃくの理論

 人は誰でも心にバケツをもっている。他人に何かを言われたり、されたりするたびに、このバケツの水は増えたり減ったりする。バケツの水がいっぱいのときは、気分がいい。バケツが空になったとき、気分は最悪だ。
バケツのほかに、ひしゃくももっている。ひしゃくを使って誰かのバケツに水を注げば――相手が明るくなるようなことを言ったりしたりすれば、自分のバケツにも水がたまる。逆に、ひしゃくで相手のバケツから水をくみ出せば――相手を傷つけるようなことを言ったりしたりすれば、自分のバケツの水も減る。
なみなみと注がれたカップとおなじように、心のバケツに水がいっぱい入っているとき、人は前向きで意欲にあふれている。バケツに水が一滴、注がれるたびに、人は強くなり楽観的になる。逆にバケツが空のときは、後ろ向きで元気がなく、意欲も低下している。バケツの水をくみ出されるたびに、人は傷つく。
人はみな、日々あらゆる場面で選択を迫られている、自分とかかわる人の心のバケツに水を注ぐのか、それとも水をくみ出すのか。これは重要な選択だ。まわりの人との関係や生産性、健康、そして幸福に大きな影響を与える選択なのだ。

 

この「バケツとひしゃくの理論」を、絵本「しあわせのバケツ」は子どもの心に響く優しい絵とともに教えてくれます。絵本の中にはこんなフレーズが・・・。

 

毎日寝る前に自分に聞いてみよう。

「今日は、誰かのバケツを幸せでいっぱいに出来たかな?」

 

大人も子どもも関係なく、時間もお金もいらずに幸せになる方法。

とてもシンプルなことです。しかし、果たして自分はできているのかな? とハッとさせられました。笑

 

さて、夏休み。

たまった積ん読本を、フォトリーディングしなきゃ。

 

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フォトリーディングとは/アルマ・クリエイション株式会社

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masaki
誰もが自分の個性や才能を生かして、望む人生を自由に生きられる社会の実現を目指しています。今まで教育に携わりながらコーチング、心理学、カウンセリング、占星学、学習法など、個人の成長や能力開発に関わることを学んできました。このブログで発信する情報が、自己理解や他者理解を深めるきっかけの1つになれば幸いです。
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