2年生 国語「スイミー」の授業UD(ユニバーサルデザイン)に挑戦! ワークシートやスライドも公開

8月で学校は夏休み。

今回は、夏休み前に実践した国語の授業記録です。

単元は「スイミー」。

この単元は、下の書籍を参考にして授業をつくりました。

「授業のユニバーサルデザインを目指す国語授業の全時間指導ガイド2年 桂聖(著、編集)、廣瀬由美子(著、編集)」(東洋館出版)

単元の流れは、こんな感じでした。

第1時
・通読 ・登場人物の確認 ・初発の感想

第2・3時
・場面とは? ・場面分けしよう ・あらすじをまとめよう

今回も、読みの学習用語はきちんと押さえていきます。

第4時
・中心人物は?
・スイミーはどんな魚?(①場面)

導入で「本物はどれ? クイズ」をします。すると、3つの絵の中に答えがないことが分かります。スイミーは「カラス貝よりもまっくろ」なことを確認し、ほかにもスイミーがどんな魚なのか分かるところを読み取っていきます。

「みんな赤いのに、一ぴきだけはからす貝よりもまっくろ」

「およぐのは、だれよりもはやかった」

第5時
・スイミーはどんな気持ちでいるの?(②場面)

まぐろがつっこんできたとき、スイミーだけ逃げられた理由を話し合った後、「スイミーはうれしかったんだよね?」と問いかけると子供たちは「ちがう!ちがう!」と言います。そこから、スイミーがきょうだいとはなれてしまったさびしさ、かなしさ、こわさを読み取っていきます。

スイミーの気持ちは、「くらい海のそこ」というまわりの様子(情景)からも読み取れることを押さえます。

第6時
・スイミーが見たすばらしいものとは何だろう?(③場面)

導入で、3場面を上のスライドのように読みます。すると「どこかへんだよね」となります。でもスイミーが見たものは「くらげ」や「いせえび」でまちがってはいない。「だからこれでいいんじゃないの?」と問いかけると子供たちは「ダメ!ダメ!」と言います。そこから、スイミーが見たものの比喩表現の面白さや、だんだん元気をとりもどしていくスイミーの気持ちを読み取っていきます。

順番を逆にした比喩表現を見せると、「これもおかしい!」と気づきます。

すばらしいもの、おもしろいものを見たスイミーの気持ちを、ワークシートの吹き出しにまとめます。

第7時
・スイミーはどんな気持ちで声をかけたのだろう?(④場面前半)

4場面で、「スイミーが岩かげで見つけた魚たちはどれ?」というクイズをします。すると「小さな赤い魚たち」であることが分かります。それは「スイミーの本当のきょうだいなの?」と問いかけると、子供たちは「そっくりだけど、にせもののきょうだい」と答えます。「じゃあ、スイミーはにせものだと分かってがっかりしたんだよね?」と問いかけると、子供たちは「ちがう!ちがう!」と言います。そこから、「みんなであそぼう」と呼びかけるスイミーの気持ちを読み取っていきます。

上のようなしかけ文から、倒置の効果も話し合います。スイミーの強い気持ちが倒置からも読み取れます。

第8・9時
・スイミーはどんな気持ちで教えたのかな?(④場面後半、⑤場面)
・スイミーの「後ばなし」をつくろう

4場面の後半、再びしかけ文を提示し、2つの文を比べます。すると、前時に学習した倒置法が、ここでも使われていることに気づきます。

大きな魚を追い出す方法をひらめいたスイミーの気持ちが読み取れます。

ひらめいた方法を実行するスイミーたち。「すぐに大きな魚みたいになれたの?」と問いかけると、時間をかけて練習する必要があったことが読み取れます。仲間に泳ぎ方を教えるスイミー。「スイミーは泳ぎが得意だから、みんなに教えるのはめんどうだったんだよね?」と問いかけると、子供たちはまたしても「ちがう!ちがう!」と言います。そこから、もう二度と仲間を失いたくないスイミーの気持ちを読み取っていきます。

いよいよクライマックスです。

「ぼくが、目になろう。」と言ったときのスイミーの気持ちを考えます。

「スイミーは主役なんだから、目立って当然だよね。最後は自分が目立ちたいと思って自分が目になろうって言ったんだよね?」と問いかけると、子供たちは「絶対ちがう!」と言います。ここまで来ると、子供たちは文章に書かれていないスイミーの気持ちをしっかり読み取ることができるようになります。

自分だけ黒いので、目になるのは自分しかできないことだと考えたスイミーの、勇気や覚悟や自己受容を読み取っていきます。(「自分にしかできないからやろう」「みんなのためにがんばろう」などと子供たちは表現しました)

今回の実践ではできませんでしたが、大きな魚を追い出したあと、スイミーたちはどのように暮らしたのか、という「後ばなし」を創作するのもいいと思います。「後ばなし」という学習用語は、この後に学習する「スーホの白い馬」のために、あえてここで教えました。

第10・11時
・スイミーは最初と最後でどう変わったの?
・学習のまとめ

さて、長時間かけて読んできた「スイミー」も、いよいよ学習のまとめです。

物語文の読み取りのキモである「中心人物の変容」を2年生なりに扱いました。

子供たちはスイミーの変容について、

「最初はただの魚だったけど、最後は仲間思いの魚になっている」

「最初はひとりぼっちでさびしかったけど、最後は仲間ができて幸せになっている」

「どんどんかしこくなっている」

などと捉えていました。

ここで終わってもよかったのですが、もう一歩踏み込むことにしました。

「そもそも3場面は、この話にいるの? なくてもいいんじゃないの?」と問いかけました。

スイミーが元気を取り戻すきっかけとなった3場面。当然子供たちは、「海ですばらしいものやおもしろいもの見たから元気になったので、3場面はいる」と考えました。しかし、そこまででした。

(ここから先はあくまで多様な読みの1つです)

スイミーが見たものは、スイミーが今まで会ったこともないような個性豊かな生き物たち。その誰もが生き生きと楽しそうにくらしている。その世界の広さと多様性のすばらしさに、スイミーは「自分もありのままでいい」と思えたので、生きる元気を取り戻したのではないでしょうか。

この解釈については、子供に押しつけるのではなく、こういう読み方もできるよねと、さらっと触れるにとどめました。

いずれにしても、スイミーが3場面で海の中のすばらしいものたちに出会わなかったら元気を取り戻さなかったので、物語の中で大事な役目を果たしているもの→「かぎとなるもの(キーアイテム)」として押さえました。

次に、「2場面もいるの?」と問いかけてみました。2場面は楽しくくらしていたスイミーときょうだいたちに、まぐろがつっこんできた場面です。「まぐろが登場しない方が、スイミーたちは幸せのままだったのでよかったんじゃないの?」と問いかけると、「まぐろがいたから、スイミーはかしこくなった」と、子供たちから返ってきました。そこで、まぐろはこの物語に欠かせない「あいて役(重要人物、対人物)」として押さえることができました。

また、スイミーのきょうだいたちは主役でもあいて役でもないが、欠かせない人物だとして、「そのほかのじんぶつ」だということも押さえました。

ここまで話し合ってから、改めて中心人物の変容を考えると、子供たちが出した考えのほかに、

「最初は自分だけみんなとちがうことを気にしていたスイミーが、最後はちがっていてもいいんだな、自分は自分らしくいればいいんだなと思えるようになった」と解釈することもできます。

最後に、今まで読んだいくつかの物語を想起させ、そのいずれの物語も中心人物の気持ちが変わったことを確認して、学習を終えました。

さて、2年生の物語学習はこのあと、アーノルド・ローベルの「お手紙」に続いていきます。名作の定番教材が続きますね。

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masaki
誰もが自分の個性や才能を生かして、望む人生を自由に生きられる社会の実現を目指しています。今まで教育に携わりながらコーチング、心理学、カウンセリング、占星学、学習法など、個人の成長や能力開発に関わることを学んできました。このブログで発信する情報が、自己理解や他者理解を深めるきっかけの1つになれば幸いです。
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