4年国語「世界にほこる和紙」~説明文を200字で要約しよう~

光村図書4年生の説明文「世界にほこる和紙」は、新教科書になって初めて掲載された文章だ。

書籍や雑誌などで先行実践を調べてみたが、新教材ということもあってか、2例しか先行実践の記録を見つけられなかった。

明治図書「国語教育」2020年8月号

洋館出版 子どもと創る「国語の授業」2020年No.69

これらの実践記録を参考に、(もちろん光村図書の指導書も参考にしながら!)授業づくりをしてみた。

まず、本単元で培いたい力を「学習用語」に落として整理してみた。

具体 抽象 文章構成図
要点 要約 要旨
具体的な答え まとめた答え

(参考)「読むこと」の授業で培いたい力を学習用語にまで落とす!

「具体」と「抽象」は説明文指導でぜひ押さえたい用語・概念。

しかし、中学年のどの単元で教えるのがよいのか悩むところ。

今回思い切って本単元で教えることにチャレンジしてみた。

 

実際の指導の経過は次の通り。

(研究紀要でもないので、ざっくりと・・)

 

1時 単元のめあてをつかむ
・単元のめあて
「日本の伝統工芸のみりょくを要約文でしょうかいしよう」
・「世界にほこる和紙」を読んでみよう。
・題名読み。通読。形式段落分け。語句の意味。
・初発の感想

2時 文章構成を捉える
・はじめ、中、終わりに分けてみよう。(※全文ワークシート)
・筆者が一番言いたいこと(考え・主張)は何だろう。
・それは何段落に書かれているだろう。→双括型を押さえる。
・「中」を2つに分ける。(考えの理由2つをもとに)

(※文章構成を捉えるときに全文ワークシートは欠かせない。こういうときのために、教科書本文をテキストデータ化しておくといろいろ加工できて便利!)

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国語教科書全文(本文)を簡単にテキストデータ化する方法 ~「読むこと」の授業準備を効率よく行うために~

国語教科書全文(本文)を簡単にテキストデータ化する方法 その2

 

3時  「はじめ」①②段落の要点をまとめよう

要点のまとめ方の基本は、まず中心文をさがすこと。

そして、くり返し出てくる言葉を入れること。

具体と抽象(まとめ、考え)では、抽象を要点とすること。

 

4時 「中」の前半(③④⑤⑥段落)を要約する

この日は指導課訪問があり、本時案を書く必要があったので書いた。

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本時案

 

5時 「中」の後半(⑦⑧⑨段落)を要約する

4時と同じように進め、最後に要約文としてふさわしいのはどっちか? という選択課題にした。

 

6時 終わり(⑩段落)の要点をまとめる

要点をまとめた後に、「筆者は、和紙の特長と気持ちを表す方法のどちらを強調したいのか?(要旨)」を検討した。

もちろん本文にははっきりと書かかれていないが、⑩段落の内容から、和紙を選んで使うことは気持ちを表す方法のひとつだという方をより強調しているようにみえることを読み取った。

 

7時 文章構成図を書く

今回の授業では文章構成図は軽く触れるだけにとどめた。

一応文章構成図の「縦」の並びは入れ替え不可、「横」の並びは入れ替え可能であることは伝えたが、これまで文章構成図に慣れていなかったこともあり、難しかったようだ。

(高学年を指導するときに、これを下学年教材として提示するのはおもしろいかもしれない)

 

8時 文章を200字で要約する
これまでまとめてきた要点、要約文をもとに、200字の要約文にチャレンジした。

上の資料を提示し、「このままでは350字なので、もう少し分量を削ろう」と投げかけ、どこを削るかを検討した。

筆者の考えが「はじめ」と「終わり」の両方で述べられているので、要約文ではどちらか一方でよいこと。

和紙で気持ちを表す事例として、「短歌」「手紙」「名刺」「お年玉袋」が挙げられているが、これらの数を減らすこと。

「です・ます」の敬体は「だ・である」の常体に直せばよいこと。

平仮名を漢字になおすことで文字数が削減できること。

・・などを話し合い、200字に要約することに取り組んだ。

その結果子供たちは上手に要約することが出来ていた。

 

最後に発展として、以前光村図書の3年教科書に掲載されていた説明文「かるた」を要約することを課題として出した。(「かるた」は150字で要約させた。)

授業の内容をきちんと理解していた子は、この要約にも意欲的に取り組み、基本を押さえた縮約ができていた。

尚、単元のゴールである「日本の伝統工芸の魅力を要約文で紹介する」の言語活動は、コロナによる時数削減により現時点では未実施である。社会科で伝統工芸を学習するので、合科的に扱いたい。

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masaki
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誰もが自分の個性や才能を生かして、望む人生を自由に生きられる社会の実現を目指しています。今まで教育に携わりながらコーチング、心理学、カウンセリング、占星学、学習法など、個人の成長や能力開発に関わることを学んできました。このブログで発信する情報が、自己理解や他者理解を深めるきっかけの1つになれば幸いです。
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